【概要】
こんにちは。
税理士の黒木佐由里と申します。
皆様は、事業再構築補助金と呼ばれる補助金をご存じでしょうか?
コロナの影響により多くの事業者が厳しい状況に陥っている昨今、今までとは違う新たな取り組みを行うために必要な費用を、国がサポートしてくれる補助金が、事業再構築補助金と呼ばれるものです。
3月中に第一次の公募が始まる予定の事業再構築補助金ですが、2021年3月9日時点で分かっている情報についてまとめてみました。
この記事が、皆様の事業を成功させるお手伝いとなれば幸いです。
【どんな補助金なの?】
事業再構築補助金とは、
「企業の思い切った事業再構築を支援」
というキャッチコピーの元、新しく事業を始めたり、業種を変更するなどといった事業者の新たなチャレンジに対し、国が補助金を出してくれるという制度です。
なぜこの補助金が話題になっているかというと、その補助額の多寡によるものです。
驚くことに、当該補助金は上限額が6,000万円という、過去に類を見ない補助金となっております。
なお、補助率は必要な費用の2/3までとなっておりますので、必要な費用のうち1/3の金額は自身でお金を準備する必要があります。
それでも本来必要だったお金のうち、2/3もの費用を国が補助してくれる、かつしかも上限が6,000万円というかなり太っ腹な補助金となっております。
【どんな人が申請できるの?】
申請の対象者ですが、下記の3つの要件を満たす必要があります。
①売上が減っていること
②事業再構築に取り組むこと
③認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること
内容を一つずつ説明すると、
まず①に関しては、申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している必要があります。
こちらは任意の3か月を選択することができますので、コロナ特需で売上が増加している事業者等を除けば、かなりの事業者が当てはまると考えられます。
そして②に関しては、新規事業や、業種転換など、新しいことにチャレンジする必要があるということ。
こちらに関しては公式の例示を記載します。
例示を確認すると、飲食店がテイクアウト販売を行うなど、基本的には既存の事業の延長で新たな取り組みを行えば対象となるのですが、注目すべきは右上から一つ下の例示についてです。
ガソリンスタンドが新規にジムの運営を開始するというもの。
これが例示で記載されているということは、まったく別の新業態へチャレンジする場合も対象となるということ。
例えば、税理士事務所が飲食店を新たに出しても申請できるものと考えられます。
既存の事業以外に、新たな事業展開を考えている人にとっては、またとないチャンスになります。
③に関しては、申請するためには自分だけじゃなく、「認定経営革新等支援機関」という人たちと一緒に、事業計画を作ってくださいという内容です。
「認定経営革新等支援機関」とは、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行うことを目的に、国が認めた支援機関のことを言い、完全登録制となっております。
なお、当事務所も「認定経営革新等支援機関」に認定されておりますので、事業再構築補助金の申請もサポートを行っております。
お気軽にご相談下さい。
【補助金はいくらなの?】
補助額については、申請者が中小企業なのか中堅企業なのか、また申請する枠として通常枠と卒業枠といった区分けがありますが、一般的に当てはまるのは「中小企業」の「通常枠」だと思っていただいて構いません。
補助金の額は100万円から最大6,000万円まで。
実際にかかった費用の2/3の金額が補助されます。
なお、かかった費用は最初に自身で全額払った後、内容のチェック後に補助金が振り込まれますので、注意が必要です。
【どんな費用が対象なの?】
どのような費用に対して補助が出るかというと、基本的には新たな事業の開始に必要な設備投資にかかるものです。
現時点では下記の要領が公表されております。
基本的には以前記事で解説をした一時支援金の対象経費と同じような考え方になると思われますので、興味がある方はご確認してみて下さいね。
【まとめ】
今回の事業再構築補助金ですが、多額の予算が設定されているため、1回目である3月の公募以外にも、今後も継続的に公募が行われる予定となっております。
しかし、こういった補助金関連については、1回目は運営側も手探りの状態であり、1回目の申請が一番採択率が高くなる傾向にあります。
なので、本補助金の活用を考えている皆様は、ぜひ1回目の公募で申請することをお勧めします。
なお、当事務所も「認定経営革新等支援機関」に登録されており、本補助金の申請サポートを行っております。
熊本で事業再構築補助金の申請をお考えの方は、ぜひご相談下さい。